ブラックⅠ-出会い-


しばらくドアの前で悩んだ結果





「失礼しまーす………」





とにかく小声で、とにかく音をたてないようにドアの中へと足を踏み入れた。




その私の小さな声にもちろん返事はなく、室内は薄暗い空間で埋めつくされている。




ドアを開けると目の前には大きな窓をネイビーのカーテンが朝日を遮断している。


テレビにステレオ、ソファーにテーブル
そして仕事用なのかデスクの上にはパソコンに散らばった書類。



藍色でまとめられた部屋は、リュウガさんらしいといったららしい。



私は部屋に入ってすぐ目に入ったキングサイズ用のベッドへと近付くと

中心部だけこんもりと盛り上がっている事に気付く。



きっとリュウガさん

いや、間違いなくリュウガさん





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