星月夜のマーメイド
夏休みの出来事


大学生活初めての夏休みに入った。


図書館での光輝の契約は平日3時からで、それは他の人との兼ね合いもあり夏休みに入っても変わることはなかった。


実家に帰るのも嫌だったから、もう1つ家の近所のコンビニで早朝バイトをする事にした。


バイトの掛け持ちは最初辛かったが、慣れてくると順調にこなしていけた。


そんな時だった。


コンビニで一緒にバイトをしている同じ年のマキに告白されたのは。


今までも何度か告白をされたことはあった。


試しに付き合ったこともあったが、何となくしっくりこなくてすぐに別れてしまった。


このバイトの子も同じ。全然ピンと来ない。


この子を通して思い浮かぶのは、やはりエレンだった。


「ごめん、俺好きな人がいるんだ…。」




重い本を持つ姿も、マイボトルを飲んでいる姿も、図書館の人達を楽しく会話している姿も。


全部。全部好きなんだ。


あの時出会った時から惹かれていたのは、きっと、きっと…。


やっと自分の気持ちに気が付いた。




好きだったんだ…。



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