トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐




「………貴様、今日の私の扱い酷くない?」




「自業自得だ」




「あそこで殴らずに、恥ずかしそうに目を逸らすだけで高感度はぐーんと上がるのに」




「気持ち悪い妄想するな。第一、お前の好感度なんて、はなっから気にしてねぇよ」





いつまでも偉そうな浪瀬。



……もういいや。




からかうのはもう飽きた。






「浪瀬」




「あぁん?」





「……ほれるなよ」






なんて言葉を残して、その場をあとにする。





向かう先は、北村美友紀先輩の所。







さっき浪瀬が言っていたことが本当か、聞き出さなければならない。





歩きながら盛った髪を戻していると、後ろから「……バカじゃね」という声が聞こえたのは、気のせいではない。





< 66 / 252 >

この作品をシェア

pagetop