転校生のカノジョのヒミツ

お昼ご飯になったら彼女はもう、彼女は無表情さんになった。

「行きましょう。」

「はい・・・。」

こうして連行されるかのように彼女に連れて行かれた俺は

屋上に来ている。

実はここ,立ち入り禁止なんだよなぁ・・・。

まぁいっか。

まぁ昨日のことが気になったので、違う本人に聞くことにした。

「君は、なんて呼べばいいの?」

「はい?」

質問の意図が見えなかったらしい。

本当に不思議そうな顔をされた。

「二重人格なんだろ?」

「・・・。」

どうやら、記憶の共有はされてないらしい。

「なんか、面倒くさいから・・・呼び分けたいんだけど・・・?」

そして不思議そうにかすれた声で言う。

小さい、聞こえないような声で。

「二重人格ですか・・・。」

「え?」

言い聞かせるような。

言い聞かせたいような。

「・・・はな・・・。」

「え??」

「はなって呼んでください。」

「オッケー。」

はなさんと話して、

たっぱりこの子も普通だなぁって。

よく見ると微妙に表情が変わってて

何となく、安心した。

普通だといったのは俺なのに・・・なのに・・・


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