heart and cold~私には貴方だけ~【完】





「大丈夫?」



声をかけられてはるき君に意識が移る。



どうやら彼の上に倒れたようで、下から声がした。



彼もベッドに乗っているんだった。



「そういえば…どうしてはるき君はあたしのベッドで寝てたの?」



起きて最初に驚いたことを聞く。



「元々隣に寝そべってたんだけど、璃花の寝顔見てたら寝ちゃってた」



寝そべらないでください。



寝顔もまじまじと見られていたなんて、考えたくない。



「えーっと、いろいろ言いたいことはあるんだけど…それが家事やってくれた後の話なのね?」



「そっ」



「ありがとう。助かった。」



優しいのは良いことだと思う。



けれど、やっぱり引っかかる点があって心から感謝できない。



「でもね、女子と同じベッドでお昼寝って、あんまり感心しないわよ…?」



あたしたちはそういう関係ではない。



これでは、あたしははるき君の中の常識を疑わざる負えない。



なによりも、むかつく。



よくわからないけど湧き上がる感情。





< 193 / 346 >

この作品をシェア

pagetop