勇者34歳

夜、閉店間際になって
店主が野菜売り場にきた。

「ぽこぽんさんできましたよ。明日から飛行車が使えます。」

そりゃ、
これだけ苦労させられたんだから
使えるようにしてもらわないと。

「飛行車なら運転しますよ。」

リーヴェが嬉しそうに言う。

「元々リーヴェさんの提案ですしね。」

はい?

店主、今なんて言った?

「だから一日勇者さん達に働いてもらう代わりに私が飛行車を整備して…。」

「やっぱりオマエか!リーヴェ!!」

「ばれた。」

リーヴェはイルルに軽くぽこぽこと殴られながら
上機嫌でニヤニヤしていた。

「相変わらず元気ねぇ。」

ナターシャさんはのんびりと
イルルを眺めていた。