♡祐雫の初恋♡

「即答か……


 そこまで決心がついているのなら、

 麗華くんや琳子くんには、会社相互の取引等を考慮して、

 自身で断り、両家のご両親へ挨拶に伺いなさい。


 私は、この件には、一切関与しないからね。

 もし、この件で、失敗するようなことにでもなれば、

 嵩愿一族の手前、慶志朗を勘当しなければならないのだが、

 それでもよいのだね」


 父は、今の今まで後継ぎとして守り育ててきた

 慶志朗の本意を掴みかねていた。


 物心ついた頃から、第一に嵩愿一族の後継者としての

 立場と認識を叩き込んできたつもりだった。

 それなのに、最後の詰めの段階で、足を掬(すく)われた感があった。




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