♡祐雫の初恋♡

 祐雫は、心細い気持ちを文彌に預けて、

 会場の人波から、光祐と優祐の姿を見つけて、ほっとする。



「祐雫さんには、退屈な晩餐会のようでしたね。

 私は、久しぶりに祐雫さんにお会いできて光栄でした」

 文彌は、父親のような気分で、

 祐雫を連れ立って歩くことにしあわせを感じていた。


「祐雫も、おじさまにお会いできまして、光栄でございます。

 おじさま、また、美味しいお食事会へお連れくださいませね」

 祐雫は、文彌にエスコートされて、安心する。


 文彌は、相好を崩して、祐雫へ頷き返した。

 文彌は、結婚したものの子宝に恵まれず、

 光祐と祐里の娘である祐雫を娘のように大切にしていた。



 晩餐会での優祐は、毅然とした態度で、会話を交歓していた。

 
 祐雫は、優祐の成長に羨望のまなざしを向ける。

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