♡祐雫の初恋♡

「森の雷は、町の雷と違って豪快だから、

 びっくりしたのでしょう。

 大丈夫ですよ、落ちはしませんから」


 慶志朗は、微笑むと、

 雷鳴が鳴る度に震える祐雫の肩を優しく抱き寄せる。



 祐雫は、慶志朗の胸に顔を埋めて小さく頷いた。


 慶志朗からは、爽やかな森の香りが感じられた。


 祐雫は、慶志朗の青いカーディガンと白いシャツの色に

 青空を感じて、しばらく慶志朗の胸に顔を埋めていた。


 慶志朗は、静かに祐雫の肩を抱いて、夕立の雨を見つめていた。



 屋外の夕立の激しさと相反して、

 部屋の内は、穏やかな雰囲気が立ち込めていた。


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