♡祐雫の初恋♡

「しのさん、恐ろしゅうございましたね。

 こちらで、雨宿りをさせていただき、ありがとうございました。

 牛乳寒は、とても美味しゅうございました。

 ご馳走さまでございました」


 祐雫は、頬を染めて、詩乃に一礼する。

 恐ろしさのあまり、詩乃が奥に居るのを忘れて、

 慶志朗の胸に顔を埋めていたことが恥ずかしく感じられた。


「どういたしまして。

 お嬢さま、お気をつけてお帰りくださいませ」


 詩乃は、テラスの円卓を片付けながら、

 祐雫へ手を振って見送った。


「それでは、ごめんくださいませ」


 詩乃に見送られて、

 慶志朗と祐雫は、並んで森の中を歩いた。



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