Shine*テニス部のあなたに恋をした

だけど、この感情の止め方なんて知らない。

あたしは残念なことにも、あまり恋をしたことがない。

輝先輩の前に好きになった人なんて、片方の手で数えられるぐらい。

だから、輝先輩を好きになって、こんな感情初めて知った。

輝先輩にはたくさんの初めてをとられた気がする。

悔しい。

たくさん初めてをとられたのに、輝先輩ならいいと思ってしまう自分がいるのが。

あたしはちくちくと痛む心をおさえながら、委員会に集中した。


――けど、集中していても、美緒先輩と輝先輩の声は自然ときこえてきてしまう。

「輝ちゃん、ここってさ~」

「あー、ここ?」

「そうそう!!」

「ここはあの黒板にかいてるやつを書けばいいと思うよ」

「そっかぁ~!!ありがとー」

「いーえ」

そんな会話がきこえてきて、あたしもそこわかんなかったんですけど。

っていいたい。

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