奏でる場所~SecretMelody~
俺が教室に入るころ、ちょうど昼休みでクラスメイト達が俺の周りを取り囲む。



「うわっ!ちょっと待てって!わぁ…!わゎゎ…」



「結局何があったんだよ?古田。」



「「ハルちん様!大丈夫ですかぁー??」」



でたっ!



“ハルちん様”ww



それに俺を押すな!



俺、病人!



病人でーす!!



「や、席に…」



ねぇ、みなさん席まで行かせてくれません?



とりあえず落ち着きたいんやけど。



「ちょっと皆!陽輝困ってるって!



体調悪いくて病院帰りなんだからさ、席まで行かせてあげなよ。」



ナイス、颯!



その女子を女子の扱い、今度教えてもらわねーと!



「「颯様がそういうのなら…。ハルちん様ごめんなさい。」」



おおーーっ!!



俺の席までの道が開いた!



俺は席にいったん座り、クラスの人達の目を見る。



「――あらためて…。みんな迷惑かけてホンマごめん。」



「ぜんぜん!ってかホント、なにがあったんですか?



どこか悪い…とか?」



「えっ…と――――」



言うべき…なんか?



ホンマの事を。



俺的、隠しときたい。



でも発作が急に起こったらまた今日みたいに皆に迷惑かけてしまう。



…どうしよ…。



言った方がいいのだろうか。



――――――“俺は喘息だと。”
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