きみに会える場所~空の上ホテル~
サキさんの頼みというのは、実に簡単そうだった。
風に飛ばされた洗濯物を拾ってきてほしい、というのだ。
「ホテルの従業員って、そう簡単に敷地の外には出られないのよ。ほら、やっぱりお客様第一だし」
「はあ」
「この辺じゃめったに強い風なんて吹かないから、洗濯ばさみを使ってなかったのよね」
「はあ」
「多分、そんなに遠くまでは飛ばされてないと思うから、その辺を探してきてほしいの」
ちょっと拍子抜けした相槌をうっていた私は、大事なことを思い出した。
「でも一つ大きな問題があります。私、このホテルから出られないんです。回転扉をどうしても抜けられなくて」
ああ、とサキさんはこともなげに言った。
「大丈夫、裏口からなら外に出られるから。まあ、外っていっても、美緒ちゃんが暮らしていた世界には通じてないんだけど」
「そうなんですか」
しゅんと肩を落とす私の顔を、サキさんがのぞきこんだ。
「美緒ちゃんの推理が正しければ、私の洗濯物を届けてくれた後で、きっと回転扉から元いた所に戻れるわよ」
サキさんがぐっと握りこぶしを作った。
「頑張って!」
何だか、やる気がわいてきた。
「はい、頑張ります!」
ふと気になって聞いてみた。
「ところで、洗濯物って何ですか? ハンカチとか?」
サキさんは、頬を染めて私に耳打ちした。
「・・・・・・ブラ。黒で、レースつきのゴージャスなやつ」
風に飛ばされた洗濯物を拾ってきてほしい、というのだ。
「ホテルの従業員って、そう簡単に敷地の外には出られないのよ。ほら、やっぱりお客様第一だし」
「はあ」
「この辺じゃめったに強い風なんて吹かないから、洗濯ばさみを使ってなかったのよね」
「はあ」
「多分、そんなに遠くまでは飛ばされてないと思うから、その辺を探してきてほしいの」
ちょっと拍子抜けした相槌をうっていた私は、大事なことを思い出した。
「でも一つ大きな問題があります。私、このホテルから出られないんです。回転扉をどうしても抜けられなくて」
ああ、とサキさんはこともなげに言った。
「大丈夫、裏口からなら外に出られるから。まあ、外っていっても、美緒ちゃんが暮らしていた世界には通じてないんだけど」
「そうなんですか」
しゅんと肩を落とす私の顔を、サキさんがのぞきこんだ。
「美緒ちゃんの推理が正しければ、私の洗濯物を届けてくれた後で、きっと回転扉から元いた所に戻れるわよ」
サキさんがぐっと握りこぶしを作った。
「頑張って!」
何だか、やる気がわいてきた。
「はい、頑張ります!」
ふと気になって聞いてみた。
「ところで、洗濯物って何ですか? ハンカチとか?」
サキさんは、頬を染めて私に耳打ちした。
「・・・・・・ブラ。黒で、レースつきのゴージャスなやつ」