籠の中
両親は職場恋愛であり、公務員畑一筋であった。父親は毎朝、決められた時間に出勤し、決められた時間に帰宅してくる。一切のルート変更はしない。常に直線的な人生だった。曲がったことが大っ嫌いなのかもしれない。母親に至っては、花を庭で育てるのをこよくなく愛した。ハイビスカス、パンジー、朝顔、季節によって庭に色とりどりの花が咲いていた。一般的に母親は美人タイプでタイトなスーツでも着れば、それなりの有能な女社長に見えなくはない。時折、掛けていた眼鏡が色気を際立たせた。