診察室の密事 【TABOO】
「ホントは俺のこと、好きなくせに」
挑発するようにそう言って、作り物のようなその顔が目の前に迫った。
そして、ゆっくりと重ねられた唇に、ゾワゾワと体が熱くなる。
「奪っちゃおうかなぁ」
「嘘つき。そんな気ないくせに」
「ふふっ。でも、誰よりも先生が好きだよ」
「私は、あんたのことなんかっ…」
嘘つき同士のいつもの会話が、再び強引なキスに阻まれた。
虚しさを誤魔化すような深いキスが、熱くて。
そして、悲しかった。
誰にも知られることのない、二人の関係。
決して結ばれることはない。
だけど、それでいい。
秘密は秘密のままがいい。
