あの子




2、3分くらい経っただろうか。

ひよりの顔は見えない。

耳に、ひよりの髪が触れる。

そこが熱くて、抱きしめている腕も熱くて…




「…あたしの勝ち?」

「あぁ」

「なんでも言うこと聞く?」

「あぁ」

「じゃあさ、」





俺は、どしゃぶりの悪天候の中、第3体育館で勝負に負けた。


ひよりは、昔のような笑顔を作って俺と約束を交わした。









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