はじめまして××さん

「助かったよー本当に!!本当に!!よかった!!」



男の人が私の近くに寄ってきた。



ごてごてっと飾られた、今どき珍しいガラケーを開くと、

男の人も一緒になって覗き込む。



「誰に連絡しようか??

警察??」



「それはちょっと違うんじゃ･･･??」



「でも、警備会社の番号なんて、僕知らないよ??」



私はカチカチとボタンを押して、電話帳から“お母さん”を呼び出してコールする。



「身内か!!良い案だね!!」



やけに納得している男の人を他所に、私は携帯を耳に当てた。



プルルルル･･･プルルルル･･･ツーツー

おかけになった電話番号は現在使われていないか･･･



「どうだった??何て??」



「とても言いにくいのですが･･･」



「何て!?」



「繋がりません。電波悪くて。」



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