ウェスターフィールド子爵の憂鬱な聖夜
「おいしいな。君が作ったの?」
一口食べるなり、エヴァンが笑みを浮かべて尋ねた。
「ええ、昔から料理は得意だったの。他にもいろいろできるわ」
「……それは楽しみ……だな」
「本当にそう思っています?」
貴婦人は自分で料理など決してしないものだ。複雑そうな彼の顔を見て、くすくす笑うと、窓の外に目を向けた。
「今日はめずらしく良いお天気ね。あとでちょっと外へ行くことはできないかしら」
エヴァンはローズの顔を、驚きを込めて眺めていた。彼女がこんなにくつろいでいる様子は初めて見るような気がする。
「別にいいさ。そんなに風が強くなければね」
「それじゃランチをバスケットに詰めなくちゃ」
「冬にピクニック? また風邪を引いたらどうするつもり?」
子爵は、皿を下げようとしたローズの手をいきなり掴んだ。はっと赤らめた顔に問いかける。