ウェスターフィールド子爵の憂鬱な聖夜

 はにかみながらローズが小さく答えるや、彼の腕に再び力が入り、身体がぴったりと押しつけられた。

 高まる甘い期待に、ローズの全身が震え出す。

 それに気付いてエヴァンはまた微笑を浮かべた。

「怖がらなくてもいい。君が嫌がることは何もしないさ」

 そう言いながら、自分の鼓動も割れるように鳴っているのを感じる。

 それでもまだ、じらすように彼女の唇から侵入し、ゆっくりと時間をかけて彼女の感覚を煽るように刺激し、キスを幾度も幾度も重ねていった。

 薄いガウンの布越しに彼女の身体の細い線がしなやかに動く。

 閉じかけたローズの瞳に点り始めた艶めいた光に、もうそれ以上抑えきれなくなり、子爵はついに彼女を抱きあげると、二人のベッドに彼女を横たえた。

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