今ここにいる


なんであんな嘘をついてしまったんだろう…


今の彼と付き合って1ヶ月記念のデートの日



私が彼についた嘘




小さなホールケーキのローソクに火を灯して、薄明かりの中寄り添えば、自然にそういう雰囲気になる



優しいキスの後、彼が言った


『…好きだよ…』


『私も…』


『だから…大事にしたい。…初めて…だよな』



首筋にゆっくり落とされるキス


壊れ物を触るように優しく触れる指


熱い瞳




…『違う』なんて言えなかった


彼と付き合う前のことだし
後ろ暗い気持ちなんてない

それでも、私を大事にしてくれている彼の真剣な眼差しに、気が付いたら頷いていた



『俺…急がないから』



優しく微笑む彼に少し胸が痛かったけど


後で話そう…って軽く考えてた





それなのに…


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