桜姫【短編】
桜姫


貴方がお母さんと小さい頃にやってきてから、ずっとここに毎年私を見にきて、一房もいで、帰っていくのです。

私はずっと見ていましたわ。痛みと引き換えに彼に会えるのですから。

私は冬にはコートを脱いで寒いけれど春に貴方が待っていると思うと、そんな寒さもなんてこともないように思えるのです。



彼はいつしか青年になりました。
微笑ましい、私は何年生きても四回しか体を変えることができない。だからこそ、貴方が変わっていくから微笑ましい。


私は、メジロに花をあげるかわりに聞いてみたのです。


「貴方は、信用できる人間はいらっしゃいますか」と。


メジロは「俺らの住みかを破壊するようなやつらは大嫌いだ」と吐き捨てました。

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