ふくらはぎの女(ひと)【完】
次々と声に出すたびに、
頭にどんどん
血がのぼってくるのを感じた。
私の顔が真っ赤に火照り、
体温が上昇していくのとは裏腹に、
祖母と叔母の顔色は
みるみる青くなり、逆に室内の温度は、
確実に低下していっているような気がした。
途中、見かねた叔母が
私の言葉を遮ろうとするのを
やんわりと制した母だけが、
いつもと変わらない穏やかな顔色で、
静かに私の言葉を聞き続けていた。