AKANE -もう一度、逢いたい-



「茜?」

「するなら4人でしなよ」


相変わらず冷たい言葉。


これでも成長したのだろうか。


思わず考え直してしまいそうになる。


すると蒼次は大きな声でいきなり断言した。


「よし、決定だな!」

「は?」

「クリスマス会は
この5人でしよう!」


「蒼次、いきなりどうした?」


陽平がいつもと違う蒼次を気遣うが、蒼次の決意は揺るがなさそうだ。


「全員その方が
気兼ねなく楽しめるだろ?」


不敵な笑みを向けられた明音ちゃんが顔を隠す。


「でも私…」

「明音ちゃんは絶対に来てよ」


陽平が今度は負けじと真剣な表情になる。


「でも…」


そう言いながら申し訳なさそうな視線が蒼次に向けられていた。


実は告白して以来、ちゃんと話をしていないらしい。


「…来ないなら
俺とデートしてよ」

「…え!?」


陽平の一言にその場の誰もが驚き振り返った。


今まで、おどけた様に言っていた陽平。


しかし今回は真剣そのものだった。


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