密の味~彼の本性~


* * *


「すげぇ迫力だったな!」


舞台終了直後のロビーで。


彼氏の感嘆の声が耳を掠める。


「俺、めっちゃ鳥肌たったし!!」


「うん……そうだね」


興奮気味で捲し立てる彼氏に、私は生返事をするばかり。


だってそれどころじゃない。


たった今。


もっと衝撃的な思いをしたからだ。


(あれが……二宮?)


普段とまるで違うアイツが。


舞台の上で生き生きと動き回っていた。


< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop