―君ノ隣―


教室に入ると騒がしかった空気が一瞬静かになったが
すぐいつもの騒がしさに戻った。チャイムが鳴りあっきーが入ってきた。


「おはよー!岡山復帰おめでとう!
ってことで自己紹介を全員にしてもらう!」


あっきーの提案で自己紹介をした。智くんはすぐに打ち解け仲良くなっていた。

良かった。仲良くなれたみたいで。


「そうそう!今から席替えするぞー!
くじ引きにこーい!」


「あっきー突然すぎ!」



クラスのみんなは文句を言いながらもくじを引いた。


これは偶然?

それとも神様からのちょっとしたご褒美?

私の隣は智くんだった。

前の席は亜由加と政くん。

智くんの反対側の隣は竹井くん。

嬉しいけど複雑な気持ち。

亜由加たち3人があっきーに呼ばれて智くんと二人で話している時だった。



「なぁ…雪奈。」


「なに?」


「俺に好きな人とか彼女っていた?」


「え?」


「ちょっと気になってさ。」 


「そっか…でもごめん。ちょっとわかんない…。」


「そっか…ありがとな!」


胸が痛い。


智くんの彼女は私だよって言ったらどう思うのかな。

でも智くんを苦しめたくない。

でもその反面彼女だって言いたい。

どうしたらいいんだろ。

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