陽の当たる横顔~図書館で~【TABOO】
彼が席を立ち、新たな本を取りにいく。
そこで、私の至福の時は終わりを迎える。

「私も帰ろう」

そう思って立ち上がると、彼が後ろにいた。

「笹山さん」
「…佐倉くん、何?」
「いつも隣にいるよね」
「え?」
「気づてないとでも思ってた?離れた所にいるけど、横顔が見える所にいるよね」
「さ、佐倉くん…」

全てを見透かされている翔に驚いていると

「俺も君の髪が好きなんだよね。見てていいからさ、髪触らせてよ」


彼の横顔を自由に見れるなら断る理由なんてない。
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