約束の空【完】
「そして兄とあたしが買い物に出た時があって。だけどお財布を忘れちゃって戻ったことがあったんです。その時に琴海の声で“パパごめんなさいっ!”っていう声が聞こえてきて…」
七海ちゃんは言葉に詰まっていた。
「普段はとても温厚な父だったので、ちょっとしたことじゃ怒らない人だった。あたしも兄も驚いていると“お前のせいでママが死んだんだ”って。この言葉を聞いて兄とあたしはすぐに琴海の元へ行ったんです。琴海は裸にされていてたくさん叩かれていた…。たくさん傷があった…。あたしたちは一年間それに気付くことが出来なかった。琴海は4歳から急に、お風呂に入る、着替えも一人で出来ると言うようになって…。それに気付いていれば一年間苦しむ思いをさせないで済んだのに…」