腐っても、青春
彼女ではないわけで
授業中、黒板を見ようと顔をあげると必ず大石のうなじが視界に入る。



色白な首に、さらっとかかる黒髪の…。

と、ここまで凝視しておいてから、我に返ったオレはブンブンと頭を振って雑念を追い払う。


「どうした加藤、質問か?」

教師に指摘されて、背中を冷や汗が伝う。
まだ汗をかくような季節でもないのに。


「いえ、何でもありません」

クラスメイトが興味津々でオレを見ている気がする。



イカン、イカン。
大石は男だぞ。



大石と同じクラスになってからというもの、オレは何回も大石のうなじに意識を持っていかれている。





 
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