Dear...
動始(コウドウ・カイシ)
彼と別れても、生活に変化はなかった。

友達と呼ぶ方が自然な関係だったのかもしれない。


頑張れ、と言ってくれた。

自分の気持ちを伝えるのは、大事なんだ、と言ってくれた。


だから、余計に、頑張ろうという気持ちが強まった。


だけど…


私は、あの人との連絡手段も接点も、持っていなかった。

唯一分かっているのは、あの人がまだ私が通っていた予備校にいる事。


予備校にいる友人から教えてもらったのだ。


だとしたら…


その友人に協力してもらうしかない。


そんな風に、安易な考えしか浮かんで来なかった。
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