Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】




あの日、フラフラと
病室から彷徨い出る
唯ちゃんを、
俺は追いかけることも
その手を掴みとることも
出来なかった。






唯ちゃんの視界に
俺は映ってない。








いつも、
俺に笑いかけてくれる
唯ちゃんは、
そこにはいなかった。





俺を見つめる
唯ちゃんの瞳は
ただ軽蔑の眼差しだけのように
見えて……俺の方が、
まともに唯ちゃんを
見つめることが出来なかった。








兄貴の為。

俺の為。

Ansyalの為。





どれほどに自分の罪悪感を
埋める言い訳を考えても
俺は俺自身を許せる言葉が
見つけられないでいた。






俺は後、
何人の唯ちゃんを
苦しめたらいいんだろう。
< 291 / 613 >

この作品をシェア

pagetop