Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】

19.この想いの全てを -雪貴-


託実さんと百花さんの結婚式の翌日。

思いがけない形で、
俺と唯ちゃんの関係が
世間に明るみに出た。

それに気が付いたときには、
唯ちゃんはすでに学院に出勤した後。


セキュリティーが厳しい
事務所管理の俺のマンションの前すら
すでにマスコミが集まってた。


唯ちゃんを守りたい一身で、
託実さんの携帯を呼び出す。


連絡した途端、
託実さんは伊舎堂のホテルの
関係者入口から入ってきたのか、
すぐに俺の部屋へと姿を見せた。



「雪貴、大丈夫か?」

「俺は別いいよ。
 それより唯ちゃんが……。

 唯ちゃん、さっき出勤したんだ」

「知ってる。

 出勤した唯ちゃんは、
 校長命令で自宅に帰されて、
 理事会の呼び出し待ち。

 兄貴や十夜、それに社長夫妻にも頼んだから、
 上手くやってくれるだろ。

 唯ちゃんは、百花が迎えに行った。
 
 百花と一緒に、呼び出しまでの間は
 俺たちのマンションにいるから安心しろ」


託実さんはそう言って、俺を安堵させてくれた。


「託実さん……唯ちゃんは、どうなるんですか?」

「どうなるって、守られるよ。
 兄貴や仲間たちがいるんだから」

「裕先生や、裕真先生たちはわかります。
 社長夫妻も……。

 だけど十夜さんがどうして?」


俺は告げられた名前に疑問を
感じて質問する。


「あっ、十夜が瑠璃垣のトップだからだよ」


託実さんがサラリと告げた返事は
俺の想像を超えた一言。

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