君と恋する奇跡~優しい笑顔に恋をして~
次々と零れ落ちる涙。


息が荒くなって、少し苦しい。



そんなあたしを、爽志君は抱きしめてくれる。



爽志君の腕のなかは、とても温かくて、落ち着く感じがした。



しばらく泣き続け、やっと涙が止まった。


あたしは爽志君から離れると、続きを話し出した。



「……それで…あたし、押されたの…」



「お、押されたっ?俺、事故にあいかけたとしか聞いてなかった」



それは当たり前だ。



店長さんに、誰かに押されたとまでは言わなかったから。



なんとなく言いたくなくて、言わなかった。



「…それでね……あたし見たの」


「見たって、犯人を!?」


「うん」
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