輝く光の中で
Side 智
9月に入り、莉那の大学も始まり、万梨阿も新しい大学生活が始まった
ばかりのある日、一本の電話が鳴った。

東條 颯からで、「智、お前んとこの万梨阿ちゃんの形跡を
追っている奴がいるぞ・・・・」

「誰だ、そいつは?」

「解らん。でも、ヨーロッパの方の人間だ」

「そうか・・・颯、また邪魔しておいてくれ」

「了解」

颯は、本当に頼りになる。

奴の情報網を屈指すれば、大概の事は解る。

つくづく、颯だけは、敵に回したくないと思う。

そう思っていたら、また携帯が鳴った。

今度は、お袋からで「お袋、どうした?」

「智、万梨阿が・・・・」

「どうした?、万梨阿に何があったんだ?」

俺の焦る声を聞いて、莉那が飛んできた。二人で電話口に耳を傾けると

「万梨阿が妊娠してしまって・・・中絶しましょ!って言ったら
 泣きながら、産む!って言って、部屋に入ったきり出てこないの・・・」

「「えっ、妊娠」」

二人で、絶句した。
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