痛々しくも生きている
そんな空気を変えたのはチビな生徒会長だった。



「駄目ですよ、【榊】くん。新入生の方々が何も知らないのは当然です。
ただ……



少し調教する必要がありますね」



悪い方に空気を変えやがりましたよ。


え、てか【榊】くんって誰?

もすかすてソコのイカツイ不良ボーイ君のことっすか。うぇーい。



「会長、まさか…」

「ふふ、今回は新入生相手なので易しめの罰としますよ」



結局受けなアカンのかい。



「……え、てか罰って」

「礼儀知らずにはそれ相応の罰を。いくら奇人変人ばかりだと言っても、礼儀くらいはわきまえておくように」

「はい?」



奇人変人。

そのワードに「?」を浮かべるも、すぐに思考は遮断される。



「今門を開けますから、下りてください」



その一言で、やっと自分が校門に座ってることを自覚した。

見下した感はあったけどガチで見下してたわ。あらら。


素直に校門から下りて(あーあ、今までの努力が)会長の隣に並ぶ。

校門を見ればギギィと音をたてて開く音がし、開き終えると会長&不良が中へ進んでいった。

アタシも慌てて追いかけるとすぐに門は閉まった。


……ハイテク過ぎんだろ。


つーかコイツらの頭ン中でアタシは
【不法侵入者】になっちまったっぽい。


【新入生】ならぬ【侵入生】。
笑えねー。

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