痛々しくも生きている
「もう、それより何でここに愁ちゃんがいるの?もしかして【アツシちゃん】が連れこんだの」


「おい、カマ……いや、ミナリン。さっきから言ってる【アツシちゃん】って誰だよ」


「口が悪いのね……まあいいわ。アツシちゃんはほら、そこの副会長のことよ」

「……るせぇ。指差してんじゃねぇよ」



………こ、このキンパ副会長に…ちゃん付けぇえ?



「ぶくっ、あははははははははは!!!アツシ"ちゃん"だってよ!ぎゃはは!アンタに"ちゃん"って、"ちゃん"って……!あはははははっ!!」


「てめ…ッ、それ以上笑うんじゃねぇ!単細胞女!!」


「あはははははははははっ!!これが笑わずにいられるかってぇーの!つーか悪人面してんのにそーんな可愛らしー名前で呼ばれちゃってまあまあまあっ!」


「こいつ……ッ」



先輩後輩というのに大爆笑するアタシ。副会長サマの怒りはピークに達してらっしゃるであろう(笑)


そんなアタシに握り拳で震える副会長サマってなんとまあ可愛らしいことー!


そんな口喧嘩の第二ラウンド直前状態のアタシらに話題(という名の助け船)を出したのは、それまで傍観していたきょうちゃんだった。



「愁っ、お前目的忘れたのか?!せっかく本人が見つかったんだからさっさと用済ませようって!」

「お、おう……そうだな」



まだ若干笑いによって声が震えるものの、目的人物に向き直って話を切り出す。




「カマ……ミナリン。アンタは一体何者で、一体何を知ってるんだ?」


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