副社長は溺愛御曹司
快活な瞳が、にこっと笑った。



「絶対に、俺が行かせてあげる。だからそれまで、もう少し、待ってて」



ヤマトさん。

どうしてそんなに、優しいの?



ねえ私、嫌々この仕事をやってるわけじゃ、ないんです。

ヤマトさんのそばで働くのは、本当に本当に、楽しくて、幸せなんです。

それだけは、わかってくださいね。



けど私は、涙が出そうになるのを必死でこらえていたせいで、お礼すら言えなくて。

ヤマトさんはそんな私の頭を、怪我をしていないほうの手で、優しく叩いてくれた。



でも、心の奥底で。


あれっ、と何か、小さなとげのような。

疑問を、見つけた私がいた。





私。





本当にそれが、望みなの?







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