Breathless Kiss〜ブレスレス・キス
華麗なる奈緒子のOLライフ!でも恋は…


ウィーン…という音がして、ガラスの自動ドアが左右に開いた。


すかさず、受付嬢達はゆっくりと頭を下げ、柔らかい笑顔で来訪者を出迎える。


会社の顔である受付嬢は、自動ドアが開いた瞬間に自社の人間か、得意先の顧客か、それともその他の用事のひとなのか、見分けなければならない。


自社なら「お帰りなさいませ」

得意先なら「いらっしゃいませ」

その他なら「こんにちは」


もっとも従業員通用口なら、ビルの横にある。
そこには初老の警備員のおじさんがいて、窓口から「お疲れさんです!」と声を掛けてくれる。

自分1人だけなのに、正面玄関から入ってくる男性社員は、横に回るのが面倒臭いか、受付の女の子とちょっと絡みたいかのどちらかだ。





新卒で入った建設資材を扱う会社が突然倒産。


坂本奈緒子は5年前の26歳の時、求人広告を見て、この会社の面接を受けた。


誰もが知っている大会社の関連会社の総務の仕事。

無謀な挑戦だと思われたが、履歴書による書類選考は、まさかの通過。


1週間後、面接の為に、このオフィスビルの会議室に集められたのは同年代の女性5人だった。


見た感じは勝てる感じがした。


奈緒子の順番が1番最後だった。







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