Garnet~大好きの伝え方
どうやら、彼女の好きな夕暮れはもう、終わってしまったようだ。

「加奈」

と、僕の横を歩く幼馴染みに訊いてみる。

「今日の夕日は……綺麗だった?」

すると彼女は、

「――うん」

なぜか、僕の制服の袖を掴んできた。

「すごく、眩しかった」

「……そう」

加奈……僕は君の彼氏にはなれない。

だからどうか、その手を離してほしい。

僕の醜悪な感情が、洪水のように荒れ狂い、大好きな君を傷つけてしまうことの、ないように。

どうか。

彼女は――そんな僕の胸中を、知らない……。
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