Garnet~大好きの伝え方
すると麻里亜ちゃんは、階段の踊り場でキュ、と上靴を鳴らし、ターンした。

彼女の長いチョコ色の髪とスカートがふぅわと舞って、その指が、つん、と私のほっぺたに触る。

今朝最初に見せてもらったのとおんなじ、女の私でもかわいいなって思う笑顔で、言われた。

「そんなことなーいよっ。私と悠里、そして加奈ちゃんとヨシくんは、全然違わない」

「そんな、でもぜんぜ」

「違わな~いのっ♪」

もう一回、ほっぺたをつん。

それがまるで呪文のようで、魔法のようで、おかしくて。

少し子供っぽいのが麻里亜ちゃんらしくて。

「――はは。うん、そうだよね。違わない、よね」

「そうそっ、なんも違わないよん。だから絶対、加奈ちゃんとヨシくんも仲直りして、上手くいくよっ」

心や感情じゃなく、つつかれたほっぺたが自然と緩むのが――

笑顔を取り戻せるのが、なんとなくわかった。

「ありがとう。励ましてくれて」

――そう言った私に麻里亜ちゃんは、またいつもみたく、ふふふぅと笑った。
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