イケメン御曹司とラブ甘同居
目に、少し涙をためながら言う裕一郎さん。



「俺と美咲は似た者同士。お互いパートナーを亡くして、しかも子持ち。だから嫌でも気が合った。気がつくと、俺にとって美咲は親友ような存在になっていた。だから…俺は美咲に『俺の家の家政婦になって欲しい』と頼んだ」




家政婦?



「その頃、正忠から受け継いだ会社が、本格的に成功しそうな時でね。俺もちょうど、家のお手伝いさんが欲しいと思っていた。美咲なら気心が知れてるし、実乃里ちゃんを見ながら仕事できるし、是非とも美咲にお願いしたんだ」


そうだったんだ。



「美咲は快くうちで働いてくれてね。約3年くらいかな?うちの家政婦として、色々と働いてくれたよ。そのとき住んでた家が、この家なんだ」




この別荘に、当時住んでたってことだよね。




「美咲と実乃里ちゃんは、この家に住み込みで働いていた。一緒に暮らしているのと同じ。だから南朋と実乃里ちゃんは、ここで一緒に暮らしていたんだ」




裕一郎さんは続ける。



「君たちは、毎日一緒に遊んでいた。本当に仲良しだった…」


覚えてる…

私…いつも南朋と一緒にいたよね。




「特にこの部屋で、遊んでいたことが多かったな。あと、2人は”星”が好きだったんだ」


やっぱり…


裕一郎さんは、ホコリをかぶった天体望遠鏡をさわった。
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