イケメン御曹司とラブ甘同居
「そうだったんですか…」

「仕事柄…あまり日本にいないものだからね。日本に戻ったら、必ずお母さんのお見舞いに行ってたんだよ…」


窓の外の雪を、ぼんやりと見つめる親父。




「…昨日、海外から日本に戻ったから…明日辺り、お見舞いに行こうと思ってたのに・・」




親父の目からは、涙がこぼれていた。





親父が泣いてる…

泣いてるところ、初めて見た…



「半年前…あと余命は半月だと、医師に言われました。でも…母は1ヶ月半も生きられたんです…」

「!」

「だから…」


仲井実乃里の目からも、堪えていたであろう涙が溢れている。





「…余命を告げられていたなんて・・私は聞いてないよ」



親父の声が震えている。

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