トールサイズ女子の恋【改稿】
　数時間後、目が覚めて喉が乾いたから私服に着替えてキッチンに行き、冷蔵庫からミネラル水のペットボトルを取り出し、キャップを外して飲み口に口をつけて飲むと、余程乾いていたのか一気に水を飲み干してペットボトルをゴミ箱に入れた。

　すると美空が寝ている部屋から俺のスマホの着信音が鳴ったので、気持ちよさそうに寝ている美空が起きてしまうじゃないか。

　慌てて部屋に戻ってスマホの着信名を見ると高坂専務からだったので、キッチンに戻ってから通話ボタンを押した。

「おはようございます」
『おはようって…、もうお昼だよ？』

　高坂専務がクスクスと笑っているのは仕方ない、寝たのは明け方だったからな。

「ご用件は何ですか？」
『２週間後の木曜日の夜に都内のホテルで出版業界の交流会があるから、スーツを用意してね』
「はい、分かりました。２週間後の木曜日の夜ですね」

　高坂専務の出席する有無を言わせないのは相変わらずで、それに慣れている自分もどうなのだろうかと思っていたら、美空が部屋から出てきて声を出さずに俺を見ている。

『で、お昼に起きたってことは、そこに星野さんがいるから遅くまで寝てたのか？』
「えっ？あー…、それは会った時に話しますよ」
『じゃあ久しぶりに２人で飲もうよ、週明けの水曜日でいいか？』
「はい…、失礼します」

　高坂専務が根掘り葉掘り聞いてくるのが想像ついて、深くため息を吐いた。
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