結婚のススメ



「君もこの結婚は嫌だった。だけど君のお母さんの、まあ、遺言みたいなものだから結婚した」
「まあ、そうね・・・」



「だから愛情なんていらないよね?俺は君を好きにはならないから安心していいよ」



「に・・・二重人格・・・」
「やだな、君よりちょっとだけ知恵が働くだけだよ」


なにを言っているのだろう。

ひとつだけわかるのは、目の前にいるこの人は二重人格な悪魔だったってことだ。



「俺も君を好きにはならないから、君も俺を好きになったりしないでね。面倒だから」


相変わらず出会った時のままのニコニコ顔を崩さない目の前の悪魔。

顔は笑ってるけど、言ってることは冷酷。


「だ・・・だれが・・・あんたなんか、あんたなんか好きになるわけないでしょーーー」




どうやら、16歳と18歳のこの結婚、前途多難なみたいです。






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