輝龍―伝説篇―【気まぐれ更新中】






「留学も、あたしから離れるため?」





お兄ちゃんはあたしの言葉に小さく頷いた。





「じゃあ、行かないでくれる?それとも、やっぱり行くの?」




「分からねぇ…でも、本当にいいのか?今ならまだ引き返せる。俺らは所詮兄妹だ。」





苦しげに飛び出した言葉は、あたしに決断を委ねていた。





「絶対、後悔しないよ。お兄ちゃんがあたしを捨てないなら。」




「捨てるわけねぇ。俺はもうお前を離せねぇよ?結衣。」





あたしたちの関係は、あたしが中1の冬から始まった…―







< 58 / 95 >

この作品をシェア

pagetop