輝龍―伝説篇―【気まぐれ更新中】
「留学も、あたしから離れるため?」
お兄ちゃんはあたしの言葉に小さく頷いた。
「じゃあ、行かないでくれる?それとも、やっぱり行くの?」
「分からねぇ…でも、本当にいいのか?今ならまだ引き返せる。俺らは所詮兄妹だ。」
苦しげに飛び出した言葉は、あたしに決断を委ねていた。
「絶対、後悔しないよ。お兄ちゃんがあたしを捨てないなら。」
「捨てるわけねぇ。俺はもうお前を離せねぇよ?結衣。」
あたしたちの関係は、あたしが中1の冬から始まった…―