ZAKURAN



「むしろ…殺してくれたほうが嬉しいです。」






そこで私は初めて、先輩に笑顔を向けた。






「…は?」




先輩の顔に初めて驚きの表情が走る。









「これでもう、誰かを殺さずにすむ…」




「お前…」








私は再び、ゆっくりと目を閉じた。






「ですからもう…早く殺してくれますか。」





任務の失敗を恐れていた反面、



私はどこかで、このような結果を望んでいた。





誰かの手により、止めてもらうことを…。










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