キスマーク


会社では制服の一環として首にスカーフを巻くけど、着替えの時に見られたら他の女子社員に突っ込まれるのは間違いなし。特に麻里なんか結構目ざといから直ぐに突っ込んできそう。


私服の時なんてもっと困る。


八月で暑い日々が続く毎日。例え夏物であっても、私服でも首にスカーフなんて暑苦しいったらない。冬だったらストールでもマフラーでも巻くんだけど……



「明後日、合コンあるのに……」


「虫に噛まれたっていう?」


「バレバレでしょ……」


「困ったね」



「ヒロのせいでしょ!」



怒る私に、



「これはもう、土曜日は行くなってコトでしょ?」



と、にっこり笑顔のヒロ。反省の色なんて全く見えない。確信犯だ。



「男と飲みたいなら、俺が付き合ってあげるし」



なんて悪戯に言ってくる。


っていうか、何よ。その上から目線。



「別にわざわざ付き合ってもらわなくても結構です」



ムッとした口調で返す。ただ男と飲みたいって訳じゃないもの。



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