STEAL!!~大切なモノ盗みます~
眼鏡の奥の鋭い眼差しがまるで品定めするかのようだ。
その視線を受けて立つとでもいうように仁王立ちしながら見下ろし、ユーリは口を開く。
「ああ。アンタの希望は叶えてやれると思うぜ?」
「…………」
男は言葉を発しない。ただ見続けているだけ。
けれどユーリは何も言わず男の好きにさせていた。
気楽にフラリと立ち寄れるこの店にはそぐわない風貌を男はしている。ツーピースのスーツを着込み、何を注文するでもなくただ徒に席を温めている姿は流石に浮いていた。
そんな男がどうしてこんな大衆食堂に分類されるであろう店を訪れたのか。
「では店を通じて依頼した仕事を請けて頂けるのですね?」
答えは男の言葉が示していた。
この店には食堂とは別の顔があるのだ。
――― 仕事の斡旋 ―――
店主は愛称として専らオーナーと呼ばれていて、おおらかな彼を名前で呼ぶ人間は殆どいない。
彼を名前で呼ぶ客、それは仕事の斡旋屋としての顔を知る者のみ。
とは言っても仕事を探す人間が口にしているだけで、頻繁に足を運ぶ事のない依頼者が名を呼ぶ事は殆どないのだが。
「ああ。こんなとこに依頼するってこたぁまともな事じゃねーんだろ?」
ユーリは漸く本題を切り出した。
ジャンを通してくる依頼でまともなものは一つもない。常に危険と隣り合わせ、それがこの店のもう一つの顔が持つ世界。
この世界で生き抜いていく為には方法など選んでいられないのだ。必要なら犯罪スレスレの方法だって使うし、ハッタリだってかます。
「どうする?俺ならその依頼、完璧にこなしてやるぜ?」
ユーリはたたみ掛けるように男に告げた。
手に入りそうな仕事をみすみす手放す気はない。
「さぁ、どうする?俺じゃない、他の三流に依頼するか?」
駄目押しとも言える言葉を叩き付けた時、男は無造作に立ち上がった。
その視線を受けて立つとでもいうように仁王立ちしながら見下ろし、ユーリは口を開く。
「ああ。アンタの希望は叶えてやれると思うぜ?」
「…………」
男は言葉を発しない。ただ見続けているだけ。
けれどユーリは何も言わず男の好きにさせていた。
気楽にフラリと立ち寄れるこの店にはそぐわない風貌を男はしている。ツーピースのスーツを着込み、何を注文するでもなくただ徒に席を温めている姿は流石に浮いていた。
そんな男がどうしてこんな大衆食堂に分類されるであろう店を訪れたのか。
「では店を通じて依頼した仕事を請けて頂けるのですね?」
答えは男の言葉が示していた。
この店には食堂とは別の顔があるのだ。
――― 仕事の斡旋 ―――
店主は愛称として専らオーナーと呼ばれていて、おおらかな彼を名前で呼ぶ人間は殆どいない。
彼を名前で呼ぶ客、それは仕事の斡旋屋としての顔を知る者のみ。
とは言っても仕事を探す人間が口にしているだけで、頻繁に足を運ぶ事のない依頼者が名を呼ぶ事は殆どないのだが。
「ああ。こんなとこに依頼するってこたぁまともな事じゃねーんだろ?」
ユーリは漸く本題を切り出した。
ジャンを通してくる依頼でまともなものは一つもない。常に危険と隣り合わせ、それがこの店のもう一つの顔が持つ世界。
この世界で生き抜いていく為には方法など選んでいられないのだ。必要なら犯罪スレスレの方法だって使うし、ハッタリだってかます。
「どうする?俺ならその依頼、完璧にこなしてやるぜ?」
ユーリはたたみ掛けるように男に告げた。
手に入りそうな仕事をみすみす手放す気はない。
「さぁ、どうする?俺じゃない、他の三流に依頼するか?」
駄目押しとも言える言葉を叩き付けた時、男は無造作に立ち上がった。