冷たいアナタの愛し方
ジェラールの即位式は1週間後に迫っていた。

本人も身体の採寸や王となるための書類を作ったり書いたり、とにかく忙しかったが…


今は目の前で微笑んでいる敵国の王をどうにかしなければならない。


「で?君は即位式が終われば大人しく私とローレンに帰ってくれるんだね?」


「ええ、途中までルーサーとジェラールが送ってくれるらしいわ」


「私が居るんだからそれは必要ない。それに一国の王となる男がおいそれと国を空けるのは思慮に欠ける」


「…貴公は今おいそれと国を空けているんじゃないのか?」


挑発とも取れる発言をしたジェラールに視線が集まる。

オリビアははらはらしてジェラールとレイドのどちらを庇えばいいのか悩んでいると、常に落ち着き払っているルーサーが紅茶を口に運びながらレイドに微笑みかけた。


「僕たちはローレンに知り合いが居て、リヴィにはその知り合いを捜してもらえるようにお願いしているから縁は切れないよ。ジェラールはともかく護衛は多い方がいい。僕は反対されてもついて行きます」


「そうですか、私もこれ以上反対はしませんが。知り合い、ね」


オリビアからすべての事情を聞いているレイドが含み笑いをすると、レイドはオリビアを抱きしめて離さないシルバーの耳をまたきゅっとつねって悲鳴を上げさせてオリビアを奪い取った。


「私のフィアンセにべたべた触るとまたつねるぞ」


「僕の」


「え?僕の、とは?」


「僕の!僕のお嫁さん!」


皆が唖然となる。

シルバーは得意げにまたオリビアを抱き寄せて頬ずりをしながら爆弾発言。


「僕と、結婚する!」


あまりにストレートすぎて何を言われているのかよく理解できないオリビアがぽかんとなった。

シルバーはその場でたったひとりにこにこして並み居る強豪ライバルたちに宣言した。
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