「同じ空の下で…」
from:岡崎 瞬]

[sub:無題]

[text:トリマ、アシタ、ツヤカニ、アイニ、イク]




添付がついたそのメールに気が付いたのは昼休みだった。

添付された写真を開いてみると、そこには白銀の銀世界が画面いっぱいに写し出された。

その銀世界で一気に憂鬱な気分が吹き飛んでしまった私は、本当に単純で単細胞なヤツだなと、思った。



瞬は、きっと、私のサプリだろう…。



その日、秘書課と総務課と人事課合同の忘年会の出欠をとる文書が回覧で廻ってきた。

社長秘書の香織さんと一緒に参加の欄に印をつけると、自分の手帳と常務専用の手帳にそれを書き記した。


そんな事より、明日、瞬は何を買ってきてくれるのかな…。

きっと私が予想もつかない物を買ってくるんだろうな…。

期待に胸を膨らませながら瞬の笑顔を思い浮かべる。


明日、逢える。

何を着よう?

何を話そう?


デスクでアホみたいに妄想を膨らませながら、私は午後の仕事に取り掛かった。



「英君。」

「はい。」


常務室に呼ばれ、ニヤけた顔に喝をいれる。

常務専用のB5判サイズの手帳を片手に携え、私はドアをノックし、静かにそこを開ける。


「失礼します。」

一礼すると、そのドアをまた静かに閉めた。

さあ、常務の介護(By瞬)の始まりだ。













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