「同じ空の下で…」

そんなこんなで、私の風邪っぴき騒動でバレンタインデーというイベントをあっさり無駄に過ごしてしまった。


2月中に仕上げなければいけないイベント絡みの仕事もあり、自分の体調が通常になると、また事務所に通い、イベントの方の仕事をとにかく進めた。


イベントに関わる補助金やらの処理やかかった経費の整理など…。

事務方の仕事は地味だけど忙しい。





そして迎えた3月は、中心になって動いてる遥人や嘉斗達がイベントの収益の為の販売部が忙しくなり、同時進行でイベント出演同級生達の稽古や練習が連日のように開催されてそっちもそっちで多忙を極めた。由美や里奈は、そっちの補佐に回り、私は当初と変わらず経理や総務的な仕事でタケルの補佐役を担った。

瞬は…というと、イベント出演者側の方で仲間内を取り仕切り、稽古や練習の方に携わる事が多くなり、同じ事務所内で笑いあう事も前より少なくなっていた。



そんな時、いつものようにどちらかが終わった後に電話する暗黙のルールで、瞬が早く終わると私に電話をかけてきた。


「今日は何時くらいにあがれそう?」


「・・・・もうすぐ一段落するかもだけど…そっちはもう終わった?」


「うん、まぁ、ぼちぼち終わる~…。じゃ、そっちに戻って事務所で待ってるよ。」


「…わかった。ごめん、早くひと段落つけるように頑張るから…」









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